上場会社各社におかれましては、コーポレート・ガバナンスの一環として、平素よりインサイダー取引をはじめとする、不公正取引の防止に努めておられることと存じます。
しかしながら、現状においても、インサイダー取引に関しての違反事例は後を絶たず、さらには上場会社の役員だけでなく、従業員や重要事実に係る案件に関わった者による違反事例も数多く見受けられるところであります。
証券市場は、我が国経済における公共財であり、その証券市場においてインサイダー取引が発生していることは看過できないものと考えます。
インサイダー取引を防止し、誰もが安心して取引できる証券市場を構築し、維持することが、市場仲介者である証券業者のみならず、発行会社も含めた市場関係者が協力して取り組むべき最も重要な課題だと考えます。
J-IRISS※1(ジェイ・アイリス)とは、上場会社の役員等のインサイダー取引などの不公正取引を未然に防止するためのシステムです(平成21年5月25日に稼働開始)。
上場会社各社から、「自社の役員情報※2」を事前にJ-IRISSにご登録していただき、証券会社各社が自社の顧客情報をJ-IRISS(当該役員情報)と照合することにより、自社の顧客の中に上場会社の役員が存在するかどうかを確認することが可能となります。
証券会社では上場会社の役員である顧客を把握し、その情報を「内部者登録カード」に記載し、日頃から顧客のうちの内部者(役員及び同居者など)の管理をしています。そして、当該顧客との取引において、自社株式の売買注文を受けた際には、例えば
「インサイダー情報(重要事実)をお持ちではないでしょうか?」
といったような確認を行うことで、顧客本人が意図せずに行ってしまうインサイダー取引等について、未然に防止することが可能となります。
※1 J-IRISS:「Japan-Insider Registration & Identification Support System」の略
※2 登録いただく役員情報:①姓名(カナ)、②生年月日、③住所、④会社名、⑤役職名
J-IRISSへご登録いただくことにより、上場会社には次のようなメリットがあります。
! 取引する個人のリスクだけでなく、会社のリスクにも配意すべきです。
社内規程等が整備されていたとしても、それだけでは不十分です。J-IRISSを利用することで、社内規程だけでは対応しきれない、以下のメリットを受けることができます。
- 役員等の意図せぬインサイダー取引の実際の未然防止機能として利用できます。つまり、社内規定に基づく、実際のチェックの役割が期待できます。
- 退任した元役員による意図しない不公正取引についても防ぐことができます。
- 役職員個人にとってのチェック機能だけではなく、会社にとってもコンプライアンスにおけるアラームシステムとして機能することが期待できます。
登録いただいた個人情報は、証券会社が照合の対象とするのみで、それらが証券会社に提供されるわけではありませんし、情報の閲覧・検索もできませんので、ご安心ください。
セキュリティにつきましては、上場会社各社からのご登録において、TDnet等と同様に電子証明書をご利用していただき、完全に暗号化された上でデータが送信されるため、盗取、改ざん等の心配はございません。また、証券会社とJ-IRISSとの間は本協会の会員ネットワーク専用回線で結ばれており、システム上の情報漏えいのご心配もございません。(概念図の※ご参照)
上場会社においては、本システムの維持及び運営等に関する費用は一切かかりません。上記(問2)の電子証明書の費用につきましても日本証券業協会が負担します。
○ 本リーフレットを印刷の際には、こちらをご覧ください。
日本証券業協会 J-IRISS推進室
03-3667-8470