とうしくんのギモン【第4回】
【第4回】渋沢栄一って、なにをした人?






幕末から昭和という激動の時代を生きた渋沢栄一は、その生涯も波瀾万丈。
農民から武士になり尊王攘夷の志士として活動するも、徳川慶喜の幕臣に転身。その時、パリに渡り株式会社制度などを学んだことが転機となります。帰国後は大蔵省で国の基礎づくりに貢献。退官してからは、多種多様な会社や経済団体の設立や運営に尽力しました。


生涯を通じて設立や運営に関わった企業は500社以上。鉄道、海運、保険、ガス、繊維など、その多くが今なお日本経済を支えています。 日本初の銀行(現在のみずほ銀行)や証券取引所(現在の東京証券取引所)を設立したのも渋沢栄一。まさに「日本資本主義の父」と呼ばれる所以です。


渋沢栄一が提唱する「道徳経済合一説」は、「国を豊かにするには、利益を社会へ還元すべき」というもの。その主張通り、女子に高等教育の機会を提供する女子大や、生活困窮者を救済する養育院を設立するなど、社会貢献に尽力しました。 公益を重視する考え方は、前回のテーマであるSDGsにも通じるため、今改めて評価されています。


実は過去にもお札の候補になったことがある渋沢栄一。前回は髭がなかったので落選したとも言われています。 当時は、偽造防止のため複雑な肖像画である必要があったようです。
