とうしくんのギモン【第5回】
【第5回】FIREって、なに?






経済的自由を獲得して早期リタイアを目指す「FIRE」がいま注目を集めています。FIREは、「Financial Independence, Retire Early」の頭文字。「経済的自立と早期退職」を表します。アメリカでは、生活のためにお金を稼ぐことより、自分の好きなことに時間を使うことに価値を感じる人たちの間でブームを巻き起こしていて、「FIREムーブメント」と呼ばれています。


今までの「早期リタイア」は、早くに仕事を辞めた人が、退職時の資産をその後の生活費に充て、経済的に自由に生きる、といったイメージ。一方の「FIRE」は、貯蓄と節約である程度の資金を貯め、リタイア後は、その資金を元本とした証券投資などで得た収益で生活費を賄います。FIREで重要なのは、収入の高さではなく貯蓄率の高さ。浪費をしないライフスタイルと証券投資で成り立つ経済的自立といえます。


FIRE実践者の間では、証券投資等の運用益で生活費を賄うために、まずは「年間支出の25倍」の貯蓄をすることが一つの目標と言われています。月に20万円支出する人であれば、6,000万円の資金が必要というわけです。


今回ご紹介した「FIRE」の考え方とは逆に、厚生労働省の調査によると「何歳まで働く希望を持っているか」という問いに対して約3割の方が「働けるうちはいつまでも」と答えていて、経済的な理由以外にも、生きがいのために働くことを選ぶ方も多いという結果が出ています。勤勉な日本人にとって、FIREは全く新しい価値観かもしれません。
