“投資の世界”に一歩足を踏み出した人なら、いつかはトライしてみたい「株式投資」。
でも、どの会社の株式を買えばいいのか迷ってしまうことはありませんか?
よく言われる会社の業績や資産状態は大事な目安の一つですが、お得感が味わえる「株主優待」や「配当金」だって、銘柄選びの醍醐味の一つです。
今回は楽しく選ぶ株式投資の魅力やメリットを探っていきましょう♪

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「とうしくん」
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今回は、お金のプロであるファイナンシャル・プランナーの風呂内亜矢さんに、株式投資のイロハを聞いてみました!
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最初はわたしも初心者でした。しかも、お金のことは疎いほう。
でも、「この金額までなら大丈夫」というラインを自分で決めて始めれば、株式投資はとても楽しいものですよ。
ここでは、株主優待や配当金について学んでいきましょう。
株式投資を始めたきっかけって?
株式投資は魅力的だけれど、重い腰がなかなか上がらない方もいるのでは?
すでに始めている先輩投資家たちは、どんなきっかけで株式投資をスタートしたのでしょうか。


先輩投資家のみなさんは、「今の収入を増やしたい」という思いや株主優待制度を知ったことがきっかけとなり、「株主優待」や「配当金」を期待して株式投資を始めた人が多いようです。
また、20〜30代の若い世代では、「少額でも始められる」ことや、NISAやiDeCoといった「税制優遇制度」があることで興味を持った人もいました。
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購入理由には、値上がりの利益よりも「配当金」や「株主優待」に期待している回答が多いのね。
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私が最初に買ったのはコーヒーショップチェーンの株式(現在は上場廃止)でしたよ。
ここの株主優待はドリンクのカスタマイズができたので、トッピングをたっぷりつけて楽しみました! -
株主優待でトッピング…?急に身近に感じてきました!
でも、株主優待って、一体どんなものなの? -
では、まず「株主優待」について解説していくね!
約1,500社が実施
株主優待は、上場会社約3,800社のうち
- 株主優待
- 株式会社が、一定数以上の株式を保有する株主に対し、自社の製品やサービスなどを提供すること(会社が任意で導入する制度)
- 保有期間や保有株式数によって優待内容が豪華になることも!
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会社にとっては、株主優待を提供することで、安定株主(企業業績や株価の変動などに左右されず、長期的にその企業の株式を保有し続ける株主)が増えるんだ
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投資家にとって「おトク」なだけじゃく、会社にとってもメリットがあるのね!
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株主優待にはいろんな種類があるよ!


優待内容は、食料品メーカーであれば自社製品の詰め合わせを優待として実施する会社が多く、「自社サービス」を優待とする会社では、自社工場の見学会を実施したり、小売業(スーパー経営会社等)では持ち株数に応じて買い物額からのキャッシュバックを行うこともあります。
そのほか、自然保護や植林、ユニセフ等への募金といった社会貢献活動への寄付などもあり、株主優待の内容を詳しく調べるだけでも社会への視野が広がりますね。
- 株主優待はどうやったらもらえるの?
- 株式の発行会社が定めている権利確定日(決算日と同一日が多い)までに株式を保有していないと優待をもらえません。
例えば、31日が「権利確定日」であれば、その2営業日前である29日(権利付き最終日)までに株式を購入しておかなければなりません。 なお、30日は「権利落ち日」となり、この日以降に購入しても株主優待の権利はもらえません。
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株主優待は、権利確定日後、しばらく経ってから送られてくるよ。
会社のホームページで発送される日が発表されていることもあるから、確認してみると良いよ。 -
株の銘柄選びは難しいと思っていたけど、株主優待から選ぶとなんだか楽しそう!
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初めて株式投資をするなら、「株主優待の内容」だけでなく、「その会社の株はいくらから買えるのか?」というところにも着目してみましょう。
わたしも株式投資を始めて間もないときは、10万円未満で買える銘柄に絞っていました。

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長期に株式を継続保有すると決めたなら、株式を購入した後は時々「株価はどうなったかなー」とチェックする程度で、短期間の株価変動で一喜一憂しなくて済むのも、良いところですね。
長期継続保有する株主の優遇については、1年以上、3年以上などを区切りにしている会社が多いようです。長期保有目的で株を購入する場合、事業内容がよくわかる商品やサービスを提供している会社を選ぶと良いですよ。 -
毎日株価をチェックするのは難しそうだから、私には長期保有が合っているかな。それで貰える株主優待が豪華になるなら、一石二鳥ね!
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それに、一つの株式を長く持っていると、その会社や業界についてのニュースもチェックするようになるから、視野が広がるというメリットもあるよ!
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なるほど!株式を持っていることで、自然と経済にも詳しくなっていくのね。
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長く保有していると、その分愛着も湧いちゃうんだよね~
配当金がある会社では、年1~2回程度株主に還元!
- 配当金
- 会社が得た利益の一部を株主に還元するもの
- 配当利回り
- 株価に対する配当金の割合のこと
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過去20年間の、平均配当利回りと定期預金の平均金利の推移を比較してみたよ。びっくりするほど違うよね。

過去20年間の平均配当利回りと定期預金の平均金利を比較してみると、約10倍も平均配当利回りのほうが高くなっていることがわかります。
景気によって配当利回りは大きく異なりますが、いずれの時期も定期預金金利よりは高くなっています。例えば、2019年3月末時点では、10万円の定期預金をしたとき、金利が0.059%だと1年後の利息は59円ですが、10万円の株式を購入した場合に配当利回りが1.94%だと、1,940円となります(税金は考慮していません)。
定期預金金利は得た利息に対しても次回利息がつく複利で、株式の配当金は保有している株式数に応じて都度受け取ることができる単利のため、数字だけで単純な比較はできませんが、やはり預けたお金に対して得られる利回りの高さは魅力的です。
気を付けたい、留意点も
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これまで株式投資の魅力をお伝えしてきたけれど、一方で気をつけたいこんな留意点もあるよ。
株主優待も配当金も、会社の業績が良いからこそ行われるもの。つまり、業績が悪ければ、株主優待の縮小や廃止、配当金の減配や無配も起こり得ます。さらに、それらの影響で株価が下がってしまう可能性もあります。株式の購入前にはその会社や業界の将来性などをしっかり調べることを忘れずに。
また、株主優待の中には、利用期間が限られていたり、一定期間に申し込まないとサービスが受けられなかったりするものも。株主優待を受けとったら必ずチェックしましょう。


元本と金利が保証されている定期預金とは違い、株式投資の場合、買値以上の価格で売れる保証がなく、配当利回りも会社の業績によって変わる可能性があります。そのため、株式を購入するならやはり余剰資金で購入するのがオススメ。
投資を始めるなら、まずは生活費の3カ月〜半年分は貯金で確保し、それ以外の余剰資金で株式投資をスタートしてはどうでしょう。
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株式投資は難しい印象がありますが、さまざまな投資商品のベースでもあり、構造としてはシンプルです。最初は少額からスタートして、好きな会社や商品のファンになるというスタンスで取り組むと楽しめますよ。
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これまで株式投資は難しいと思い込んでいたけれど、案外そうでもないみたい。リスクを踏まえてトライすれば、新しい世界が広がりそう! “株主優待”や“配当”ってご褒美がもらえるみたいで嬉しいし、わたしも株式投資にトライしてみようかな
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まずは応援したい会社を探してみよう。がんばって!
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風呂内亜矢(ふろうち あや)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者。自宅マンションを衝動買いしたことを機に、お金について学びはじめる。現在は、テレビや雑誌、セミナーやイベントなどさまざまな媒体で「お金に関する情報」を精力的に発信。