世界的な金融ネットワークのなかで
日本の証券業界の
プレゼンスの向上をめざす
(現:国際資本市場本部 国際資本市場部)
2007年入職 法政経学部 経済学科 卒
企業や経済の発展に寄与する金融業界で働きたいと考え、大学卒業後は地方銀行に就職。融資等を通じて地域に貢献できる点にやりがいを感じていたが、より広い視野から日本の金融業界に貢献できる仕事がしたいと考え、本協会に入職した。
規律審査部、公社債・金融商品部などを経て、英国バーミンガム大学ビジネススクールに1年間留学。現在、国際部で、本協会の海外向け窓口としての業務を担当している。
国際会議への出席などをきっかけに、海外発信力の重要性を痛感
入職後、最初に配属されたのは規律審査部でした。証券会社や銀行等の協会員やその役職員が法令・規則違反をした場合に、本協会としての処分や措置を決めるための審査を行っている部署で、3年間、所属していました。その後、2年間の外部への出向を経て、公社債・金融商品部に配属され、店頭デリバティブと証券化商品の自主規制規則づくりを担当することになりました。それらは2008年の金融危機の際、問題とされた金融商品で、国際的な金融規制当局によって新たに定められたルールへの対応などを行う必要がありました。国際会議に出席する機会もあり、国際的なルールづくりに関与するには海外への発信力が大事だと痛感し、個人的なスキルアップも必要と考え、海外留学にチャレンジしたいと思うようになりました。
ちょうどそのころ協会の海外留学制度が刷新され、2016年9月から1年間、英国のバーミンガム大学ビジネススクールにMBA留学しました。MBAには大学によって様々なプログラムがありますが、中でも金融に特化した授業がある大学に行きたいと考え、国際金融や規制の枠組みについての勉強ができる大学を探しました。実際に私が履修したプログラムには、アジアやアフリカ、南米、ヨーロッパなど世界各国から50名ほどの留学生が集まっており、レクチャーとグループワークの組み合わせで授業が進められました。様々なテーマについて、毎週のようにチームでプレゼンテーションを行うため、忙しい毎日を過ごしました。留学を通じ再認識したのは、英語で情報を受発信できれば、より幅広い考えを知ることができ、また世界のより多くの方々に存在を認識してもらえるということです。
帰国後、国際部に着任し、主に本協会と海外との窓口としての業務に携わっています。本協会は複数の海外の証券関係団体と連携しており、それらの団体との情報共有や、日本で国際会議があるときには、その企画・運営等を行うこともあります。また、国際的な金融規制当局から新たな規制案が提示された際には、会員各社からの意見を取りまとめ、日本証券業協会として意見提出を行うこともあります。
一つひとつの仕事が、証券業界全体の発展につながっている
2010年に、初めての海外出張で、IOSCO(証券監督者国際機構)主催の研修セミナーに参加しました。当時の所属は規律審査部で、本協会の国際的な業務についてはあまり知らなかったころです。セミナーでは本協会職員が、日本の金融・資本市場の自主規制の仕組みや業界の取り組みを紹介していました。自主規制という仕組みは、金融・資本市場がある程度成熟している国が多く取り入れているものです。そのため日本における自主規制の仕組みに対する他国の関心が高いことを知り、本協会の国際的な場での役割の重要性を認識するなど、とても大きな衝撃を受けたことを覚えています。同セミナーには毎年2名ほど、職員を派遣しています。若いうちからこうした国際的なセミナーに参加する機会が多くあることは、本協会の役割を知るうえで大変有意義だと思います。
現在所属する国際部では、日本の証券業界と海外との橋渡しをする仕事に携わることができます。例えば、これから金融・資本市場を整備していこうとしているアジアの新興国から市場関係者を毎年東京に招き、セミナーを開催し、日本が長い時間をかけて積み上げてきた金融・資本市場の仕組みや規制の枠組み、業界としての取り組みなどについて、本協会職員や国内の金融関係機関の方々から情報提供するという活動を行っています。これらは、日本の証券業界の国際社会におけるプレゼンスの向上に寄与すると同時に、それらの国々において資本市場が発展していくことによって人々の暮らし、生活水準の向上にも貢献することになります。
本協会の特徴は、どの部署においても個社の利益ではなく、日本の証券業界全体の利益のために仕事ができることです。日常の業務は細かい仕事も多いですが、そのような一つひとつの仕事が、日本の証券業界の発展、海外でのプレゼンス向上にわずかながらでもつながっていると思うと、やりがいを感じます。
Career Step
- 2007.07
- 入社 規律審査部
- 2010.07
- 金融情報システムに関する調査研究を行うシンクタンクに出向
- 2012.07
- 公社債・金融商品部
- 2016.07
- バーミンガム大学ビジネススクールへ留学
- 2017.09
- 国際部
1Day Schedule
- 6:00
- 起床
テレビで海外マーケットのニュースをチェックしながら、身支度 - 8:45
- 出社
- 9:00
- 業務開始
深夜に届いた海外からのメールの確認、海外からの視察団の来日に備えたプレゼンテーション資料作成など - 11:30
- 昼食
同僚と日本橋あたりで
- 12:30
- 午後業務
東京で開催する国際会議の準備、各国規制機関や海外の金融規制の情報サイトで業務に関連する情報収集など - 19:00
- 終業
- 20:00
- 夕食
ニュースのチェック - 23:30
- 就寝