第4回

いつか旅行に行ける日のために!
知っておきたい
旅行と為替の関係

新型コロナが流行する前は、よく夏休みに海外旅行してたなあ。

新型コロナウイルスの影響で、なかなか海外旅行に行けない昨今。先行きの見えない中ですが、今後、海外旅行を自由に楽しむことができる日が来た時に、注意すべきことがあるんです。一体どんなことでしょうか。

夏休みは旅行する人が多い!?

勤めている会社や働き方によっても、旅行ができる時期は異なりますが、実際、夏休みに旅行する人は多いのではないでしょうか。国土交通省観光庁の調査より、ホテル等客室の稼働率の月別推移をみてみましょう。

客室稼働率の月別推移

マスク生活をしていなかった2018年と2019年において、1年の中で最も稼働率が高いのは8月で、それ以前のデータでも同じ傾向がみられました。新型コロナウイルスの感染が拡がった2020年2月よりガクッと稼働率は下がりますが、少しずつ人の動きが出てきた2021年においては夏休みをとる人が多い7月の稼働率が比較的高く、夏休みに旅行する人が多いことがわかります。

ただし、海外旅行をするときには注意したいポイントがあります。どんなことでしょうか。

社会人になるとお盆が夏休みの人が多くなるのかな。
今後海外旅行をするときに気を付けるべきことってあるのかな?

旅行と「円安」「為替」との関係とは?

最近ニュースで「円安が進んでいます」と耳にしたことがある人もいるでしょう。この「円安」というのが、海外旅行を考える際、気をつけたいポイントです。実は、円安時の海外旅行では、私たちは損をしてしまうのです。どうして損をすることになるのでしょう。

円安とは、ドルやユーロなど外国の通貨から見たときに「円」の価値が「安」くなる為替の動きを指します。ドルと円を比べた場合の例で説明しましょう。

円安時の為替の解説

今、上図のように「1ドル=100円」が「1ドル=200円」に変化した場合を考えてみましょう。一見すると、1ドルが100円から200円に増えているので、円の価値が上がったように見えますがそうではありません。「1ドル=100円」とは、1ドルを手に入れるために100円必要になるという意味です。そして、その後、「1ドル=200円」に変化すると、1ドルを手に入れるために200円必要になってしまいます。つまり、「1ドル=100円」の時に比べて「円の価値が下がった」、言い換えると、「円安」になったと言えるのです。

円安時の円とドルの価値の違い

たとえばアメリカに旅行をする場合、空港で円を米ドルに交換しますが、「1ドル=100円」の時であれば、1万円で100ドル手に入れられますが、「1ドル=200円」の時は、1万円で手に入れられるのは50ドルと、円安になると旅行先で使えるドルが少なくなってしまいます(※為替手数料は考慮せず)。

一方で、円の価値が上がり「円高」となると、話は逆転します。

「1ドル=100円」の時は、1万円で100ドル手に入れられますが、円の価値が上がり「1ドル=50円」となると、1万円で200ドル手に入れられますので、円高になった方が、海外でたくさん買い物ができますね。

円高時の円とドルの価値の違い

この「1ドル=100円」などと言われる外国の通貨との交換比率を「為替レート」といいます。ニュースで「現在の外国為替市場は1ドル○○円」など聞いたことがありますよね。2カ国間の為替レートは、どちらかの価値が上がれば、もう片方は下がるシーソーの関係となっています。円を欲しい人が増え人気が上がる(=相手の国の人気が下がる)と円高に、円の人気が下がる(=相手の国の人気が上がる)と円安となり、為替レートは日々変わっています。

海外旅行をする際は、為替レートを見て、円安か円高かをチェックすると良いですね。ただし、クレジットカード払いをした場合は、決済時の為替レートが適用されることも知っておきましょう。

為替レートはどうやって日々変わっているのかな?
株価を動かす要因ってなに?

あなたも実は経験者かも?海外旅行は身近な為替取引!

それでは、一体「為替」とは何なのでしょうか。為替とは、「現金を直接使わずに支払いすること」を指す言葉です。たとえば、物を購入した際に、購入店の口座に振り込むことや、電気代が自分の口座から振り替えられることなども為替取引の一種。みなさんも、すでに為替取引を行っているのではないでしょうか。

為替には「内国為替」と「外国為替」の2つの種類があります。「内国為替」とは、電気代の振替のように国内で行われるお金のやりとりを指し、「外国為替」は、異なる通貨間でのやりとりを指します。たとえば、商品の輸出入や海外不動産への投資など国際的な取引におけるお金のやりとりは、主に外国為替を利用して行われますが、外国為替の大きな特徴として、自国の通貨と取引に使われる国の通貨との交換が発生することがあげられます。

そして外国為替も実はみなさんの中に経験者がたくさんいます!それがこれまでお話ししてきた海外旅行です。海外に行くときには、円を外貨に交換しますし、帰国するときには、外貨を円に交換しますよね。海外旅行は意外と身近な為替取引と言えるのです。

僕も海外に行ったことがあるから、実は外国為替取引の経験者だったんだね!
私にも投資って、必要?

為替って難しいものだと思ってたけど、意外と身近な存在なんだ。今みたいな円安傾向の時は、円高時に比べて海外旅行にお金がかかってしまうから、円高になる時期に行けるとお得なんだね。今のうちに旅行のためにコツコツ積み立てを始めておくと安心だね!

⇒お金の計画の必要性