証券業界におけるサステナビリティへの取組み
証券業界では、サステナビリティを推進していくため、証券戦略会議の下部機関として、「サステナブルファイナンス推進委員会」、「働き方改革・ダイバーシティ推進委員会」及び「こどもの貧困対策支援委員会」を設置し、サステナビリティ推進に向けた各種取組みについて検討を行っております。
【サステナビリティ推進に関する会議体】
● サステナブルファイナンス推進委員会
投資家は、環境課題や社会課題等の解決に資するプロジェクトに資金が使われる金融商品への投資を通じて、持続可能な社会の実現への貢献が可能です。また、証券会社は、グリーンボンドなどのサステナブルファイナンスに関連する債券、環境・社会などのテーマに沿って投資対象を選定する投資信託の販売等を通じて、環境・社会的課題に関心を持つ投資家へ対応してきました。
「サステナブルファイナンス推進委員会」では、サステナブルファイナンスに関する人材育成、普及・推進、国内外の関係機関等との協力・連携強化に係る事項等について検討しています。
【参考:社会的課題解決に向けた証券会社の取組みと役割】

● 働き方改革・ダイバーシティ推進委員会
「働き方改革・ダイバーシティ推進委員会」では、証券業界の働き方・ダイバーシティ推進に向けて、証券業界の課題の把握、生産的な雇用とディーセント・ワークの達成に向けた具体的方策の検討を行っています。
これまでの検討を踏まえ、以下の取組みを実施しています。

● こどもの貧困対策支援委員会
令和4年国民生活基礎調査によれば、2021年の我が国のこどもの相対的貧困(地域社会の大多数よりも貧しい状態)の割合は11.5%であり、約8.7人に1人のこどもが相対的貧困に陥っています。
こどもの貧困問題は証券業界にとっても中長期的なリスクです。こどもの貧困問題の放置によって格差がより深刻となり、日本経済・社会に悪影響を及ぼせば、ひいては証券市場が縮小する可能性があります。
「こどもの貧困対策支援委員会」では、こどもの貧困問題の解決に向けた証券業界としての具体的な支援策等の検討を行っています。
これまでの検討を踏まえ、以下の取組みを実施しています。
- 代表者向けセミナー・情報発信
- 古本募金の実施
- NPO法人等と証券会社をつなぐプラットフォーム「こどもサポート証券ネット」
- 証券業界におけるSDGs推進に向けた取組みについて~貧困のこどもの生活支援に関して~
【日本におけるこどもの貧困の現状】
日本のこども(17歳以下)の相対的貧困率※は11.5%(約8.7人に1人)

※相対的貧困とは?
・ある国や地域の大多数よりも貧しく、周囲では当たり前の生活ができない状態
・OECDの基準では、等価可処分所得が全体の中央値の半分(=相対的貧困ライン)を下回る状態
・日本の相対的貧困ラインは127万円(2021年)
・なお、国民生活基礎調査では、2018年よりOECDの所得定義の新たな基準に従って数値を算出
【他のOECD加盟国と比較しても高水準】

<相対的貧困のこどもの生活実態(例)>
満足な食事が摂れない
医療費を払う余裕がなく医療機関の受診を控えているために虫歯が多い
自宅に勉強をするスペースがない
⇒外からは貧困状態であることが分かりにくい
日本におけるこどもの貧困は見えにくいため、「この日本でこどもの貧困?」と見過ごされがちですが、日本においても、生まれ育った環境によって、教育の機会が得られないこどもたちや健やかな成長に必要な衣食住が確保されていないこどもたちが存在します。
●証券業界におけるSDGs推進に向けた取組
2015年、国連は「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を採択し、先進国を含む国際社会全体の持続可能な開発目標(SDGs)として、2030年を期限とする17の目標と169のターゲットを定め、あらゆる形態の貧困に終止符を打ち、不平等と闘い、気候変動に対処するための取組みを進めています。日本証券業協会としても、SDGsの達成に向けた取組みを重要課題と位置付け、「SDGs宣言」の下、積極的に取り組んでまいります。
これまでの取組みについては、以下からダウンロードできます。
証券業界におけるSDGs推進に向けた取組み