日証協について
外国株式信用取引の特徴やリスクとは?
1.そもそも外国株式信用取引とは?
- 外国株式信用取引とは、お客様に一定の保証金(委託保証金)を証券会社に担保として差し入れていただき、売付けに必要な外国株券、外国投資信託の受益証券、外国投資証券等や買付けに必要な資金を証券会社からお客様にお貸しして売買を行っていただく信用取引の一種です。現時点では、外国株式信用取引を行うことのできる銘柄は、アメリカ合衆国の株式市場の上場銘柄の一部に限られています。


2.外国株式信用取引にはどのようなリスクがありますか?
- 外国株式信用取引には、「(国内の信用取引と共通する)信用取引の一般的なリスク」と「アメリカ合衆国の株式市場で取引を行うにあたってのリスク」があります。
(国内の信用取引と共通する)信用取引の一般的なリスク
・委託保証金をもとに、レバレッジ(注)を効かせた取引が可能であるため、多額の利益を得る可能性がある反面、委託保証金を超える多額の損失を被るおそれがあります。
(注)レバレッジとは「てこの原理」を意味し、信用取引においては、預けた委託保証金を担保にすることで、委託保証金の額を超える取引が可能になることを意味します。
・株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の変動等や発行者等の業務や財産の状況に変化が生じた場合等により、損失が生じるおそれがあります。
・信用取引により売買した株券等のその後の値動きにより計算上の損失が生じたり、代用有価証券の価格が値下がりしたりすること等によって、委託保証金の現在価値が一定の基準を下回った場合には、不足額を所定の期日までに証券会社に差し入れる必要があります。
・所定の期日までに不足額を差し入れない場合等において、損失を被った状態で建玉の一部又は全部を決済される場合もあります。更にこの場合、その決済で生じた損失についても責任を負うことになります。
アメリカ合衆国の株式市場で取引を行うにあたってのリスク
①為替変動リスク
・外国株式信用取引は外貨建てで行う取引であることから、外国株式信用取引の売買を行った場合、新規約定時と決済時に適用される外国為替レートの変動により多額の損失を被るおそれがあります。(外国株式信用取引においてはレバレッジ効果によって、より大きな損失となるおそれがあります。) ・外国株式信用取引は外貨建てで行う取引であることから、委託保証金を円貨で差し入れる場合においては、外国為替レートの変動により外貨に換算した額の委託保証金の現在価値が下がるおそれがあります。この場合において、委託保証金の現在価値が一定の基準を下回った場合には、不足額を所定の期日までに証券会社に差し入れる必要があります。
・外国株式信用取引は外貨建てで行う取引であることから、委託保証金を円貨で差し入れる場合においては、外国為替レートの変動により外貨に換算した額の委託保証金の現在価値が下がるおそれがあります。この場合において、委託保証金の現在価値が一定の基準を下回った場合には、不足額を所定の期日までに証券会社に差し入れる必要があります。
②アメリカ合衆国の株式市場に係る固有のリスク
・アメリカ合衆国に所在する株式市場には値幅制限(ストップ高・ストップ安)がないため、株価の極端な急騰や急落が発生する可能性があります。

3.外国株式信用取引の制度を理解するポイント
- 外国株式信用取引は、アメリカ合衆国に所在する株式市場に上場している外国株券等を対象としており、品貸料、返済期限等は、お客様と証券会社との間で自由に決定することができる信用取引(一般信用取引)です。そのため、証券会社は外国株式信用取引の売買の決済に必要な売付株券及び買付代金を証券金融会社から借り入れること(貸借取引)ができません。
- 外国株式信用取引では、現地制度に則りアメリカ合衆国の証券取引所等に発注を行うものであり、証券会社が相手方となって直接お客様と取引を行うこと(国内店頭取引)はできません。
- アメリカ合衆国の証券取引所と日本の証券取引所の営業日は異なる場合があります。外国株式信用取引はアメリカ合衆国の証券取引所の営業日に取引ができますので、しっかり確認しておきましょう。
- アメリカ合衆国の証券取引所の取引時間は、現地時間9時30分~16時(日本時間23時30分~翌日6時(夏時間22時30分~翌日5時))となり、立会時間中に昼休みは設けられておらず、通常は売買取引が中断されることはありませんが、相場急変時においては、一時的に売買取引が中断される(サーキットブレーカー)場合があります。アメリカ合衆国は日本と時差があることから、指値注文(価格を指定する注文方法)の価格変更や建玉の決済指示等がタイムリーに行えない場合がありますので、注意しましょう。
- 外国株式信用取引は、国内の一般信用取引と比較して、以下のとおり異なります。例えば、国内の信用取引では委託保証金の約3倍までの売買ができますが、外国株式信用取引は委託保証金の2倍までの売買しかできません。
- 外国株式信用取引において、代用有価証券として受け入れる円建ての有価証券については、時差及び為替変動を考慮して、国内株式信用取引の代用有価証券の掛目より10%減じられています。
- アメリカ合衆国の証券取引所に上場している企業では、株式分割・株式併合、株式交換、合併等のほか、複雑なコーポレートアクション(有価証券の価値(株数、価格など)に影響を与える企業の財務上の意思決定)が行われることがあります。このため、外国株式信用取引の建玉を保有している場合において、企業が行うコーポレートアクションの内容によっては建単価の調整のほか、弁済期限の繰上げ(強制決済)等が行われる場合があります。
- 外国株式信用取引を行う場合には証券会社からリスクの説明を受け、契約締結前交付書面や説明書等をよく読んで理解し、投資者自らの資力、取引経験および取引目的等に照らして適切であると判断する場合にのみ、自己の責任において取引を行いましょう。
お客様が実際に取引をされる外国株式信用取引の詳細は、契約締結前交付書面や当該取引をされる証券会社のホームページ等でご確認ください。