日証協について
「店頭デリバティブ取引に類する複雑な商品」に対する自主規制規則について
日本証券業協会では、自主規制規則を改正し、2011年4月1日より、「商品販売前の検証の義務付け」や「勧誘・販売時の説明義務の強化」を図っております。
1.どのような改正を行ったの?
証券会社や金融機関に対して、次のことを義務付けました。
(1)商品販売前の検証の義務付け
- 合理的根拠適合性の検証
- お客様に新しい商品を販売しようとする場合には、その販売する商品のリスク特性やパフォーマンスなどについて事前に検証すること。
- 勧誘開始基準の設定
- お客様に店頭デリバティブ取引に類する複雑な商品を勧誘する場合には、年齢や取引経験の有無、財産の状況などから勧誘対象のお客様を選定すること。
(2)勧誘・販売時の説明義務の強化
- 注意喚起文書の交付
- 販売する商品のリスクに関する注意事項や金融ADR(紛争解決)機関の連絡先などを記載した文書をお客様に交付すること。
- 重要事項の説明
- 販売する商品について、最悪のケースを想定した損失額、中途での売却制限や売却試算額などをお客様に説明すること。
- 確認書の受け入れ
- お客様に上記2の重要な事項を説明したこと、そしてお客様にその内容を御理解いただいたことについての確認書を受け入れること。
2.店頭デリバティブ取引に類する複雑な商品とは?
店頭デリバティブ取引に類する複雑な商品として、「仕組債」と「投資信託」を規定しております。
<店頭デリバティブ取引に類する複雑な仕組債>
- 複雑な仕組債は、「利率(クーポン)が固定されているのか、変動するのか」、「償還額が元本(100%)で償還されるのか、そうでないのか」や「利息や償還額が為替変動による影響を受けるのか」など、一般的な債券よりも、お客様において、その商品のいろいろなリスクを把握しなければならないものをその対象としております。
- 具体的な商品として、例えば、EB債(他社株転換社債)、エクイティ指数リンク債、条件付デュアルカレンシー債と呼ばれている債券は、この「複雑な仕組債」に該当する場合があります。
- 名称だけでは判断できませんので、詳しくはお取引の証券会社や金融機関に御確認ください。
<店頭デリバティブ取引に類する複雑な投資信託>
- 複雑な投資信託は、上記、『店頭デリバティブ取引に類する複雑な仕組債』で運用することによりそれらの仕組債と同様の商品性を有することとなる投資信託をいいます。
- 具体的な商品として、例えば、条件付元本確保型投資信託と呼ばれている投資信託は、この「複雑な投資信託」に該当します。
- 名称だけでは判断できませんので、詳しくはお取引の証券会社や金融機関に御確認ください。
3.この改正によって何が変わるの?
今回の規則改正により、次の点が変わります。
- 今まで以上に、お客様の年齢や取引経験の有無、財産の状況などに照らし、お客様に適した商品の投資勧誘が行われるようになります。
- 複雑な商品の説明がある場合には、必ず、「注意喚起文書」が交付され、説明される商品が「複雑な商品である」ことが明示的に判るようになります。
- 更に複雑な商品の説明資料では、市況の変動などにより、どのような状況になった場合に、損失を被ることとなるのかなど、今まで以上に、具体的な損失イメージが沸くような商品の説明資料が用いられることとなります。
- また、その内容について、御理解いただいているかどうか、確認しながら、商品の案内が行われることとなります。
証券会社や金融機関では、様々な資料により、お客様に御理解いただくための商品説明を行います。お客様におかれては、御自身の投資目的・方針やライフプランなどを良く確認し、御自身に一番合った商品を選びましょう。