今さら聞けない!投資Q&A

日々の株価についてですが、前日の終値と当日の始値が違う理由はなぜですか?

始値」はその日にはじめて取引された株価で、「終値」はその日の最後に取引された株価をいいます。

終値と始値がなぜ違うのかということですが、まず、取引ができる時間帯は、平日の朝9時から11時30分まで(前場)と12時30分から15時まで(後場)の間と決まっています。

取引終了後から翌日の取引開始までの間には、様々なニュース(たとえば企業の決算発表や重要な経済指標の発表、政治的なものや地政学的な事象、アメリカ等の海外の市場動向等)が流れますが、その動向が翌日の「始値」に影響を与えることにより、前日の「終値」と異なる値段がつくことになります。
ニュースの内容が企業にプラスであれば買い手が増え、「終値」よりも高い値段がつきやすくなりますし、企業にマイナスの内容であれば売り手が増え「終値」よりも安い値段がつきやすくなります。

次に、取引所で価格がどのように決定するのかをみていきましょう。
株式の売買注文は証券会社に出しますが、取引自体は証券取引所という特定の場所に集められて行われています。
売買価格は、投資家に公平を保つため、決められた方式によって決定します。この方式のことを「オークション方式」といいます。
この方式では、売買価格を成立させる2つの原則があります。「価格優先の原則」と「時間優先の原則」です。

まず価格優先の原則について説明します。
売り注文の場合は、もっとも安い価格で注文を出した売り手が優先されます。
これは、買い手としては、できるだけ安く買いたいと思っているからで、安くても売りたいという投資家が優先されます。
一方、買い注文の場合は、もっとも高い価格で買いたいと注文を出した投資家が優先されます。
これは、売り手はできるだけ高く売りたいと思っているからです。
つまり、安くても売りたい投資家と、高くても買いたい投資家を優先する原則によって、取引が成立しやすくなっているのです。

では、同じ価格に注文がいくつも出ている場合はどうでしょうか。その場合に適用する原則が、時間優先の原則です。
これは、時間的に早く出された注文が優先されるというものです。
取引所では、投資家が出した注文価格により時々刻々と売買値段が変化していくのです。

このように、 前日の終値はあくまでも前日の最後に取引された株価であり、前日と当日とでは、投資家が出した注文値段が異なるために、翌日の始値が前日の終値から始まるわけではないということです。

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日本証券業協会 普及推進部 担当者

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