第10回

知っておきたい
お金の知識まとめ!
20代向け金融のキホン

2022年4月に成年年齢が引き下げられてトラブルに注意と聞くけれど、一体どんなことに注意しないといけないのかな?早くからお金の知識を身につけないと、という話題もよく耳にするけれど…

2022年4月から、成年年齢が20歳から18歳に引き下げられました。18歳になると成人として、さまざまなことが一人でできるようになる一方で、トラブルに巻き込まれる危険も生じます。成人として気を付けておきたいこと、知っておきたいお金の知識をまとめました。

成年年齢引き下げによって何が変わった?注意すべきことは?

約140年ぶりに成年の定義が見直されて、2022年4月から、成年年齢が20歳から18歳に引き下げられました。世界では多くの国で成年年齢を18歳と定めており、グローバルスタンダードにようやく合ってきたとも言えるでしょう。日本でも18歳になったら一人の大人として自覚と責任を持つ必要があります。成人となると、一体どんなことが変わるのでしょうか。

<18歳になるとできるようになること>
成人になると、それ以前に比べて色々なことが出来るようになります。親の同意なしでできるようになることや、得られる資格の代表例を以下のとおりピックアップしてみました!

  • ・携帯電話・クレジットカード・部屋の賃借・雇用などの契約ができること
  • ・自動車を買うなどのためにローンを組むことができること
  • ・自分の住む場所を自分の意思で決めることができるようになること
  • ・進学や進路も自分の意思で決めることができるようになること
  • ・10年間有効のパスポートを取得できること
  • ・公認会計士や医師免許といった国家資格に基づく職業に就けること
  • ・性同一性障害の人が性別の取り扱いの変更審判を受けることができること など

特に、色々な「契約」が自由に結べるようになる点には注目です。扱えるお金の額や自由度が増える半面、気を付けないとトラブルも身近なものになってしまいます。どんなことに注意が必要なのか、詳しく見ていきましょう。

<18歳になったら気を付けるべきこと>
18歳になると「未成年取消権」がなくなることに注意が必要です。「未成年取消権」とは、未成年が親など法定代理人の同意なしに契約をした場合には、あとで取り消すことができると民法で定められている権利です。一般的には高校3年生の途中に迎える誕生日で、18歳になる人が多いため、高校生もトラブルになったりしないよう気を付けなければいけません。トラブルとは、軽い気持ちでローンを借りて返済できなくなってしまう、また、悪徳商法に引っかかり被害を受けてしまう、といったことが考えられます。

悪徳商法までいかなくても、お金の「儲け系」のトラブルに巻き込まれる若者が多いそうです。消費生活センター等に寄せられている相談には、「高額な投資用USBメモリーを買わないかと勧誘され、借金して購入するよう指示されて契約したが、儲からない」「暗号資産(仮想通貨)や海外事業等への投資などの儲け話を高額契約した」といったものがあります。「確実に儲かる」方法はあり得ませんので、信じないようにしたいもの。また、友人を勧誘して報酬を得るマルチ商法にも気をつけて。万が一乗ってしまうと、自分の信用が下がり大切な友人を失いかねません。契約を迫られても、きっぱり断りましょう。
投資詐欺にご注意ください!

何か契約をするときには、熟慮や身近な人へ相談する等の慎重な対応が大事ですが、万が一契約をしてしまい困ったら、一人で抱え込まずに消費者庁の「消費者ホットライン(188)」に電話して相談しましょう。不当な勧誘行為や詐欺・強迫の場合は、取消を主張できることもあります。

こうしたトラブルに巻き込まれないためにも、お金の知識は必須です。次に、成年になったら知っておきたいお金の基礎知識をご紹介します。

変なトラブルには絶対に巻き込まれたくない!
そのためには基本的なお金の知識はしっかりと勉強しておかないとね。

成人になったら身につけておきたいお金の基礎知識

私たちの生活に欠かせないお金。お金があれば、欲しい物が買えて、行きたいところに旅ができるなど、生活に彩りが生まれます。その一方で、借金に苦しんだり、儲け話に乗って騙されてしまったり、お金が原因で辛い思いをすることも。「お金」と賢く付き合っていくために身につけたい基礎知識を、3つに分けてお伝えします。

① やりくりするために必要な知識
将来必要になる資金を貯めながら、毎月一定の収入の中で生活する「やりくり」のためには知識が必要です。
たとえば、公的医療保険や公的年金といった社会保険の知識があれば、生命保険や医療保険を過剰に契約してしまうことを防げます。また、住居費としていくら払えるか自分できちんと把握し、住宅ローンに関する知識を持っていれば、いつかマイホームを買うとき、無理なく返し続けられる賢い住宅ローン契約ができるでしょう。

② お金をふやすために必要な知識
超低金利の預貯金だけでは、せっかくお金を貯めてもふやすことがほとんどできません。株式や債券などの金融商品に投資して資産をふやす可能性を手に入れるために、金融商品の特性やリスク、またNISAやiDeCoなど一定期間非課税で運用できる制度についても、十分に知っておく必要があります。
なお、成人年齢引き下げにより、NISA(一般NISA・つみたてNISA)への加入が18歳からできるようになりましたが、国民年金被保険者となる年齢は20歳のまま変わりませんので、国民年金被保険者が加入要件であるiDeCoにも20歳にならないと加入できません。

③ 損しないために必要な知識
お金のことは分からないからと、金融商品や保険商品を勧められるまま契約してしまうと、高い手数料を払うことになったり、中途で解約した時に解約返戻金が元本を大きく下回ったりするかも知れません。自分で学んで考えて選ぶことができれば、損を減らすことができるでしょう。また、「必ずふやせる」「絶対儲かる」といった勧誘に対しても、「そんなにうまい話はない」と分かっていれば、引っかかって損することはないでしょう。

この3つの知識は、是非早いうちから身につけましょう。「20代で知っておきたいお金のこと」では20代の皆さんに役立つ情報をまとめています。ぜひ参考にしてくださいね。
「20代で知っておきたいお金のこと」

お金の知識があれば、将来のためにきちんと資産形成できそう!社会保険や金融商品のこと、もっと勉強しようっと。でもお金の知識ってどうやって深めればいいのかな?
「私にも投資って、必要?」

お金の知識はどうやって身につける?

実は中学・高校時代の家庭科や公民などの授業で、税金や社会保険について学んでいる私たち。でも、当時は自分ごととして捉えることは難しかった人も多いのでは?やはり大人になってから体系的に学ぶことが大切です。

学ぶ方法は色々ありますが、ご自身の生活の中で取り入れやすい方法が良いでしょう。ここでは3つの方法をご紹介します。

① 本やウェブサイトで勉強する
お金に関して体系的に学べる本は、書店にたくさん並んでおり、中には漫画で楽しく学べるものもありますので、興味を持てるものを探すのも良いでしょう。また、無料のウェブサイトにも学べるものは多くあります。
投資の時間では、1~5を読むだけで資産形成の概要がさくっと分かるLESSONシリーズを公開しています!
まずはLESSON1「お金の計画の必要性」からチェック!
また、金融庁では「基礎から学べる金融ガイド」というテキストを公開しており、お金に関する知識を網羅的に学ぶことができます。
「基礎から学べる金融ガイド」(金融庁)PDF

② 動画で学ぶ
YouTubeを始めとして、お金の学びを得られる動画コンテンツも多くあります。ただし個人が発信している動画コンテンツの場合、内容が偏っていたり、信ぴょう性に欠けていたりする可能性もあるため注意しましょう。
なお、投資の時間には、講師による丁寧な解説で資産運用についての基礎知識をまとめている動画がありますので、ぜひご活用ください。
知って得する!資産運用の基礎知識

③ セミナーに参加する
昨今は、お金について無料で学べるセミナーが多くあります。気軽に学べてとても便利ですが、企業が主催の参加型無料セミナーの場合は、セミナー後に、商品の勧誘を受けることもあります。商品の購入まではまだ考えていない場合、まずは販売や仲介する商品のない団体のセミナーを活用すると良いでしょう。
日本証券業協会のセミナーのご案内

いかがでしたでしょうか。知識は身につけるだけでは意味はありません。行動して初めて学びの成果が得られます。たとえば、やりくりが出来てお金を貯められるようになったら、月5,000円など少額で資産運用を始めてみることで、世の中の経済を自分事としてとらえられるようになり、ますます学びが深まりますよ。

お金の勉強をする手段はいろいろなものがあるね。簡単に始められそうなものから取り組んでみよう!
まずは手軽にできるウェブサイトを活用しようっと。
「投資の時間」

とうしくんのまとめ

とうしくん

大事なお金に関する知識は、早いうちに身につけて、賢くお金の管理ができる人になっていこうね。資産運用は難しく考えがちだけど、初心者でもわかりやすくまとめられているコンテンツはたくさんあるから、いろいろなものを見て自分に合った方法で少しずつ学びを深めていこう!