IPOにおける公開価格の設定プロセスの見直しについて
価格や株数の決まり方や、上場までのスケジュールなどが変わります。
10月1日以降の株式のIPO(新規公開)について、公開価格の設定プロセスが一部変更となります。主な変更点については、以下のとおりです。※実際に取引をされるにあたっては、詳細を目論見書等でご確認いただき、ご不明な点は取引先の証券会社にお問合せください。
1.仮条件の範囲外で公開価格が設定されたり、公開価格の設定と同時に売出株式数が変更されたりする可能性があります。
これまで公開価格は仮条件の範囲内で設定されていましたが、今後は仮条件の範囲外で設定される可能性があります。また、公開価格の設定と同時に売出株式数が変更される可能性もあります。設定される可能性のある公開価格、変更される可能性のある売出株式数の具体的な範囲は、目論見書等に記載されますので、実際に取引を行う場合には、これらの書類をご覧いただくとともに、ご不明な点は取引先の証券会社にお問い合わせください。
2.上場承認日から上場日までの期間を短縮する方式での上場が可能となります。
新規上場申請会社が上場承認時に提出している有価証券届出書を上場承認前に提出し、必要な手続きを早期化することにより、従前では1か月程度であった上場承認日から上場日までの期間を21日程度に短縮する方式での上場も可能となります。新規上場申請会社は、この新しい方式と従前の上場方式のどちらかを選択することができます。
この新しい方式では、上場承認前に有価証券届出書が提出された後、証券会社等から機関投資家への需要状況に関する調査等が行われることがありますが、目論見書等を用いた一般投資家に対するご案内は、上場承認日以降に行われます。また、ブックビルディングやIPOへの申し込みは、上場承認日以降のブックビルディング期間及び申込期間に行われます。
3.最終的に公開価格等の条件が決定するまでは、特定の上場日ではなく、1週間程度の幅を持った上場日が目論見書等に記載されることがあります。
これまでは、上場承認時点で特定の上場日が目論見書等に記載されていましたが、今後は最終的に公開価格等の条件が決定するまでは、1週間程度の幅を持った上場日が目論見書等に記載される可能性があります(確定した上場日は、条件決定時の目論見書等で確認することができます)。
4.訂正目論見書の交付により、上場日が延期される場合があります。
これまでは、上場日は、上場承認時に提出される目論見書等に記載の日付から変更されることはありませんでしたが、今後は、訂正目論見書等の交付により、数週間から数か月程度、上場日が延期される可能性があります。なお、条件決定日以降に、大幅に上場日が延期される場合には、再度ブックビルディングが行われます。
本協会では、「公開価格の設定プロセスのあり方等に関するワーキング・グループ」報告書で示された改善策の実施に向けて取り組んでまいりました。これまでの本協会での検討状況等については、以下のリンクをご覧ください。
公開価格の設定プロセスのあり方等に関するワーキング・グループ
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その他
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